長編SS第二回!

はいはいなー、聖吾ですよ。


マブラヴや幻水Ⅴはありますが、今日は病院なので、待ち時間を使って続きを書きますよ〜。
いや、暇なんですよ、ホント。
呼吸器内科は待ち時間長いっす、耳鼻科の二分の一ぐらいの待ち時間だけど(苦笑)


■アマツのアサシンの物語

初めて降り立った世界で、シーフになった彼。
名を『聖吾』という。


砂漠……砂に囲まれた街から、未知なる世界への第一歩を踏み出す……
それを人は『冒険』という。

とにもかくにも、彼は転職して初めての冒険へと旅立ったのだ、が……
ROの世界では、マップを一つ移動するだけで世界が変わる。
確かに砂漠には違いないのだが、アクティブ……つまり自分を自動的に狙ってくるMOBが出現するのだ。


彼は見事に敗北する。
無論、レベルに合わないMOBを相手にしたのだから、当然の結果である。
だがこの経験から、『移動中にはアクティブを避けて通る』、つまり逃げるわけだが。
彼は処世術を覚えたのだ。



気を取り直し、アクティブに気をつけつつ、首都プロンテラに到着。
(カプラの空間転移サービスを使えば楽だが、彼は知らないのである)


まず彼は驚いた、口には出さなかったが、人の多さに。
今後とも利用することになるが、ここは通称『露店通り』。
プロンテラ南口から噴水広場にかけて、露店がもっとも多く配置される場所である。
プロンテラ南口前、通称『臨公広場』、ここも人が多い場所の一つだ。
臨時公平……MMORPGの特徴である自分以外のプレイヤーと、その場限りのPTを組む……そういう所だ。
臨時は彼の性格故、利用機会は少ない……が、それはまた後の物語。


話を戻そう。
彼はまず、様々な露店を周り、色々なアイテムを知る。
そこで目を引いたのは『頭装備』、首から下は職業で決まるが、頭部は頭装備でコーディネート出来るのだ。
彼は今ある全財産にて、頭装備を買おうとした……が、買えなかったのだ。
 
 
「高いなぁ……」
 
 
誰もいない路地で、彼は一人呟いた。



次に行った街はイズルード、通称『伊豆』と呼ばれ、剣士と騎士の転職場所でもある。
ここで誘って貰った知人と待ち合わせ……
出会う彼…いや、彼女とこの世界では言うべきだろうか?
つまり、ネカマである。
特に自分が男なのは隠していないようで、純粋に女キャラを操作するのを楽しんでいるのだろう。


さて、彼はその知人から譲り受けた……
いや、実際は時間がないとかで、案内出来ない代わりということだが。
その品とは『+7クワドロプルサハリックマインゴーシュ』、略して+7Qサハマイン。
当時の値段的には安かった、のかな?
特化武器と呼ばれるこの武器は、今現在まで愛用される思い出の品である。


話を戻そう。
とにもかくにも、彼は自分に合わぬ強力な武器を手に入れた。
彼はその威力を試す……のだが、いかんせんレベルが低いため、バッタを相手にするのが精一杯である。
武器をくれた知人に狩場を教えてもらい、一路下水へ。
(名を出すにもいかず、今後一度出番があるかないかなので割合)

この下水と呼ばれる場所は、まあ……殆どの人は嫌いなとある蟲が登場します。数が多いので、倒し切れれば充分な経験値が得られるソロ狩りのメッカなのです。


彼はここで、初めて全く知らない人と出会い、会話をする……
最初は緊張……しかし徐々にだが、彼は慣れてきたらしく、普通に話すようになっていた。


これがコミュニケーションだと、MMORPGの楽しさだと後々からじわりと実感するのである……
その後も何度か人とふれあい、楽しさを味わっていくのだが……
彼の気質故か、レベル上げに楽しさを感じられず、一ヶ月の間ROという世界を離れた……



……だが、彼の冒険はこれで終わりではなかったのだ。
そして、長いようで短かったシーフ時代は終わり……転機ともいうべきアサシン転職が待っている………



『ROという世界』
‐完‐



……次回に続く。