SSならぬ系譜を(ぇ

はいはいはー、聖吾ですよ。


寒くて手がかじかんでますが、あまりキニシナイ。
寒い方が頭は冴えますしねぇ(苦笑

さて、今日はSS(ショートストーリー)の予定を変更し、
私、聖吾のこれまでの系譜をSSチックに書き連ねて行こうかと思います。
それではれっつご〜



『アマツのアサシンの旅日記』
日差しが暑い日。
リアルでは七月の半ば過ぎた辺り……まだまだ暑くなる季節である。
MMORPG……多人数参加型ロールプレイングゲームラグナロクオンライン
多数のプレイヤーが参加し、会話、そして戦闘に伴なう狩りなどを通じて楽しむ場所。

多くの新たな命が生まれる中……
この世界に、新たな一人のプレイヤーが誕生した。

名を『聖吾』という。
まだ新米ノービスで、サイトなどで下調べを多少はしているものの、完全なる初心者である。


まず、誰もが始めは行くであろう「初心者修練所」。
彼はここでまず世界の理を知る。
色々な情報を少し入らないほど詰め込み、初めての戦闘フィールドに出ることとなる。
無論、修練場の試験ではあるが、初心者のプレイヤーにとって初めてのモンスター(MOB)である。

彼は、とりあえず自分が倒せそうな相手を選び、戦う。
現在熟練者である自分に言わせれば、DEXが足りず、当たらないことに四苦八苦しつつも、当てる方法が分からない。
……そんなところだろう。
彼はまず、AGIを上げた。
どこかのサイトで見た、または知人に教えられた、AGIを上げる事でASPD(攻撃スピード)を上げることを知っていたからだ。

そして、1時間程そこでレベルを上げたあと……ついに修練場を出る最終試験。
……といっても、適正を決めるだけの試験だが。
彼は『アコライト』の適正を言い渡された。
最近の熟練プレイヤーならば、ここで適正を選び、渡される装備を売ってお金を得る方法もあっただろう。
だが、彼は初心者。
アサシンになるため、シーフの街……『モロク』
砂塵が舞い、緑も少ない……この砂の街から、彼の冒険は真に始まるのである。


「あー、疲れた〜」
私の記憶が確かなら、彼の第一声は"それ"だった。
修練場で多少喋る練習をしていたものの、初めて他のプレイヤーのいる前で発した会話はそれだった。
彼はとりあえずモロクの街を回る。
案内の兵士(NPC)がいることも知らず、チャットや露天の区別もつかず。
ただただ歩く。
……それが、唯一のこの世界を知る為の方法かのように……


そして一通りあるいた彼は、ついにマップへと足を踏み出す。
街は砂漠、彼はまず南に足を踏み入れた。

まず戦ったのはサイトなどで見掛けるポリンに似たMOB、ドロップス。
強さを確かめるため、彼はドロップスに向かって走った。
確かに倒した。
だが、そのダメージは大きく、連続して戦えるものではなかった。


今でこそ初心者修練場は『応急手当』や自動でレベルやJOBを上げてくれるが、
昔はそんな親切なシステムなどなく、すべて自力である。
彼も当然類に漏れず、座る事すらできないでいた。


そして不幸か幸運か、彼のログインした時間帯は人が少なく、元々モロク南にはあまり辻支援は見掛けない気もする。
その後、彼は『すごいピッキ』と対峙する。
すごいピッキは、ピッキに比べると強く、ノービスではかなりキツかった記憶がある。
この時、装備はナイフ。
今の修練場なら初心者用装備で固められ、かなり楽になっているが、昔はナイフと服(名前は忘れた)だけである。
無論、無償で貰えた初心者用ポーションなども、まだ存在すらしていない。

当然の如く、彼は敗れた。
ワールドに出て初めて味わう敗北の味。
少し画面をそのままにし、感慨に耽っていた記憶がある。
……それから、彼は何度も死に、何度も蘇り、何度も戦った。
世界を知る為、ノービスの身でモロクからプロンテラに歩いたこともあった。


『そして、彼はシーフになる』


転職したとはいえ、ロクな装備もなく、彼がやったことは……歩く事。
初めてワールドに降り立った時のように、胸に高鳴る気持ちを抱え、世界を歩く。
『己の足で世界を知る』
これが彼のプレイスタイルなのだ。

そして、これから先、色々な出会いが待っている世界へ………
彼はそっと……最初の一歩を力強く踏み出した。



序章『彼はシーフになる』
−完−


どうでしたか、私の実体験をある意味そのまま書いたものですが。
今となっては懐かしい思い出ですが、やはり忘れらない大切なものです。
次回、この続きを書きますので、それまで気を長くして待って頂ければ幸いです。
それではまた、どこかで逢いましょう。

聖吾でした。